外貨MMFの買い方は3ステップ
外貨MMFは、投資信託の一種なので株式のような「板」や指値注文はありません。金額を指定して申し込むだけで、手順自体はとてもシンプルです。
1. 証券口座と外国証券取引口座を開設する
ネット証券なら口座開設・維持費は無料です。外貨MMFの取引には外国証券取引口座も必要ですが、こちらも無料で同時に申し込めます。
2. 円を入金する
銀行やネットバンキングから証券口座に入金します。後述のとおり円のまま買付できるので、事前に外貨へ両替しておく必要はありません。
3. 買付画面で通貨と金額を指定する
「外貨建MMF」のメニューから買いたい通貨のファンドを選び、金額を入力して注文します。買付前に目論見書を読む操作が必須で、目論見書を閲覧していないと注文を受け付けてもらえません(SBI証券)。初回だけの手続きですが、改訂があった場合は再度の閲覧が必要になります。
どの会社で買うかがまだ決まっていなければ、利回りの比較表と為替手数料の比較を先に見ておくことをおすすめします。
買付単位はいくらから?
最低いくらから買えるかは、会社と銘柄によって変わります。
| 証券会社 | 買付単位 |
|---|---|
| 三菱UFJ eスマート証券 | 全通貨1万円から1円単位 |
| 楽天証券・SBI証券 | 10通貨単位から(南アランドなら100円程度) |
| 積立(SBI証券) | 1ファンドあたり5,000円以上1円単位 |
※銘柄ごとに最低買付単位・買付単位・売却単位が定められています。単位未満では注文できないので、買付画面で確認してください。
円貨決済と外貨決済の違い
外貨MMFは、支払いに使う通貨を選べます。ここが初心者のつまずきやすいポイントです。
・円貨決済…証券口座の円資金で買う。証券会社が自動で両替してくれるので手間がない。為替手数料はレートに含まれる形でかかる
・外貨決済…すでに持っている外貨で買う。両替が発生しないので為替手数料がかからない
米国株の売却代金や配当金などすでに米ドルを持っている場合は、外貨決済のほうが確実に有利です。円から始める場合は円貨決済で問題ありません。
なお円貨決済で使われるレートは、通常の為替取引用のレートとも外貨建債券の円貨決済レートとも別のレートが使われます(SBI証券)。同じ日でも適用レートが違うことがあるので、細かくコストを比べたい場合は注意してください。
※米ドルの配当金をそのまま米ドルMMFに回す方法は米国株の配当金は米ドルMMFで運用が効率的で詳しく解説しています。
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注文の締切時間は通貨ごとに違う
外貨MMFで見落としやすいのが締切時間です。株式の「15時まで」のような統一ルールはなく、同じ証券会社でも通貨ごとに締切が違います。
| 通貨(三菱UFJ eスマート証券) | 当日受付の締切時間 |
|---|---|
| 米ドル建 | 毎営業日 15:00 |
| 南アフリカランド建 | 14:30 |
| トルコリラ建 | 13:00 |
高金利通貨のほうが締切が早い傾向があります。トルコリラは13時なので、昼休みに注文しようと思っていると間に合わないことがあります。
締切時間を過ぎた注文は、失効するのではなく翌営業日の注文として受け付けられます。注文の取消も締切時間までしかできません。
また、SBI証券では毎営業日19:00〜19:30がシステムメンテナンスで注文自体を受け付けていません。夜に取引しようとして画面が使えない場合は、この時間帯を疑ってみてください。
休場日は通貨ごとに異なる
外貨MMFは海外で運用されているファンドなので、日本の営業日でも取引できない日があります。影響するのは次の2つです。
・ファンドの休場日…そのファンドが投資している国の市場が休みの日(米国の祝日など)
・為替取引の休場日…両替ができない日
このため「取引日」そのものが銘柄ごとに違います。さらに休場日が連日重なった場合、円貨決済の注文受付を一定期間停止し、その期間を非営業日として扱うことがあります(SBI証券)。
ゴールデンウィークや年末年始、米国の感謝祭のような連休をはさむときは、各社が公開している外貨建MMFの休場日カレンダーを確認するのが確実です。
約定日と受渡日の考え方
用語を整理しておきます。
・約定日…注文が成立した日。適用される為替レートもこの日で決まります
・受渡日…実際に代金と商品が引き渡される日。売却代金が使えるようになる日でもあります
外貨MMFの受渡日が何営業日後になるかは、証券会社と銘柄によって異なります。上記のとおり海外の休場日が絡むため、「必ずT+2」のような単純な言い方ができません。正確な日付は注文画面か休場日カレンダーで確認してください。
実務でよく問題になるのは、売却したお金がいつ次の買付に使えるかです。SBI証券の場合、外貨で受け取るときは売却注文の受付後すぐに受渡日基準の買付余力へ反映され、円で受け取るときは通貨によって反映時刻が決まっています(南アフリカランド・トルコリラは約定日の14:30頃、米ドルは為替取引約定日の16:00頃)。
売却したその瞬間に円が引き出せるわけではないので、資金を使う予定がある場合は数日の余裕をみておくと安全です。
外貨MMFの売り方(売却・解約)
売却も買付と同じくシンプルです。SBI証券の場合は「取引」→「外貨建MMF」→「売却」→保有一覧から対象を選び、金額指定か全部指定を選んで注文します。
売却時のポイントは3つです。
1. 好きなタイミングで売れる
外貨MMFに満期はありません。三菱UFJ eスマート証券では1口単位から、買付約定日当日と休日以外はいつでも売却可能とされています。定期預金のような期間の縛りがないのが外貨MMFの利点です。
2. 解約手数料はかからない
三菱UFJ eスマート証券では解約手数料・信託財産留保額はかからないと明記されています。ただし円で受け取る場合は為替手数料が実質的なコストになります。ここが本当のコストなので、往復の手数料は必ず意識してください。
3. 円と外貨のどちらで受け取るか選べる
売却代金は円で受け取ることも、外貨のまま置いておくこともできます。円で受け取る(円転する)と、その時点で為替手数料がかかります。次に米国株や別の通貨のMMFを買う予定があるなら、外貨のまま持っておくほうが無駄がありません。
なお、売却して利益が出ていた場合の税金は外貨MMFの税金にまとめています。特定口座なら確定申告は不要です。
分配金は自動で再投資される(受け取れない)
外貨MMFの分配金は、現金として受け取ることができません。分配金は日々計算され、月末に税引後の金額が自動的に元本へ再投資される1か月複利のしくみになっています。
したがって、
・毎月お金が振り込まれる商品ではない
・保有しているだけで残高がじわじわ増えていく
・利益を現金化するには売却が必要
という性格の商品です。分配金にかかる税金は再投資の時点で源泉徴収されており、三菱UFJ eスマート証券では月末最終営業日のTTBレートを使って税額を計算するとされています。
複利で増えていく点は外貨MMFのメリットでも解説しています。
積立(自動買付)の設定
毎月コツコツ買っていく積立にも対応しています。SBI証券の場合の条件は次のとおりです。
・申込金額はファンドごとに5,000円以上1円単位
・申込日は毎月1〜27日、または「月末」から選択
・年2回まで「ボーナス月コース」を追加設定できる
・円貨決済で発注されるため、円の買付余力が必要
・発注は次回発注予定日の午前0:00〜2:00頃
注意点は入金のタイミングです。発注時に買付余力が不足していると、その月の買付は実行されません。次回発注予定日の前営業日までに着金するよう入金してください。
また、積立日が休場日にあたる場合は、その後の最初の営業日にずれます。
買うタイミングを分散する考え方はドルコスト平均法で解説しています。
他社への移管・通貨の乗り換え
「別の証券会社に移したい」「別の通貨に乗り換えたい」というケースについてです。
他社移管…外貨MMFを他社へ移管できるかは会社によって取扱いが異なります。対応していない場合は、いったん売却して資金を移し、移管先で買い直す手順になります。この場合は売却と買付で為替手数料が二重にかかるうえ、利益が出ていれば課税されるため、移管のメリットと比べて判断してください。事前に両社へ確認するのが確実です。
通貨の乗り換え…たとえば米ドルMMFから南アフリカランドMMFに替えたい場合、基本は売却して買い直しになります。会社によっては乗り換え(スイッチング)のしくみを用意している場合があるので、取扱いを確認してみてください。
外貨MMFの買い方・売り方のよくある質問
Q. 何時まで注文できますか?
A. 通貨ごとに違います。三菱UFJ eスマート証券では米ドル建15:00、南アフリカランド建14:30、トルコリラ建13:00が当日受付の締切です。過ぎた注文は翌営業日扱いになります。
Q. 受渡日はいつですか?
A. 証券会社と銘柄によって異なります。海外市場や為替取引の休場日が影響して取引日自体が変わるため、各社の外貨建MMF休場日カレンダーで確認してください。
Q. 円のまま買えますか?
A. 買えます。円貨決済を選べば証券会社が両替してくれるので、事前の両替は不要です。すでに外貨を持っているなら外貨決済のほうが為替手数料がかかりません。
Q. 分配金は受け取れますか?
A. 受け取れません。日々計算された分配金が月末に税引後で自動的に再投資される1か月複利のしくみです。利益は売却時にまとめて実現します。
Q. 売ったお金は円で受け取れますか?
A. 受け取れます。売却時に円と外貨のどちらで受け取るか選べます。円で受け取ると為替手数料がかかるので、次の買付予定があるなら外貨のままが有利です。
Q. 解約手数料はかかりますか?
A. 解約手数料・信託財産留保額はかからないのが一般的です。実質的なコストは為替手数料です。
Q. NISA口座で買えますか?
A. 外貨MMFはNISAの対象外です。詳しくはNISA口座で外貨MMFは取扱い可能?をご覧ください。
※本ページは2026年7月時点で各社が公開している情報をもとにまとめています。締切時間・買付単位・受渡日などの取引ルールは変更されることがあり、銘柄ごとにも異なります。実際に取引する前に、必ず各社の公式サイトと目論見書で最新の条件を確認してください。
主な出典:外貨建MMF注文の注意事項|SBI証券/外貨建MMF|三菱UFJ eスマート証券/外貨建てMMF営業日カレンダー|楽天証券
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